美容外科をやっていると、時々とても特殊なケースに出会います。その一つに刺青(イレズミ)があります。もちろん、入れる(彫る)のではなく取る(除去する)方ですが。
どのように特殊かというと、ほとんどの患者さんが、刺青を取った結果に関してクレームを言わないことです。当然、他の場合と同様、治療には上手・下手があります。
しかし、突然来なくなってしまう例はあるものの、刺青除去に関して文句を言われた覚えがぼくにはありません。おそらく、刺青はout law(the outside of law) と本人もわかっていて、それでも入れたことで、自責の念に駆られているからなのでしょうね。取る段になってそれがはっきりと解るので、誰でもない、自分の責任と感じるのでしょうか。
美容外科医としてのぼくの立場から言えば、刺青だけは入れないほうがいいですね。取るのには、簡単に言って、入れたときの10倍の時間とお金を要しますし、元のきれいな皮膚には戻れませんから。でも、取れれば汚くてもいい、という人が多いのも確かです。だから、ほんとトラブルにならないのです。
上の2枚の写真は、中国の美容の展示会で撮影したものです。堂々とデモで彫ってましたね。
下の2枚は、当院での治療例です。これで計5回ほどレーザー照射してます。